タイガース結成当時から見られる伝統の虎の顔の絵については,まとまった説明がほとんどなされてこなかった.しかし,2003年10月28日放送の[開運なんでも鑑定団]において明解な答えが与えられた.画期的である.
ここに勝手に抄録しておくことにする.勝手に使ってすみません.>鑑定団御中
依頼者:兵庫県 石飛 政 さん
ご主人,石飛弘信さん(三年前死去)の遺品.弘信さんは戦前,阪神電気鉄道で働いていた.そこの同僚からもらったものだという.描いた先輩が退職の記念にくれた.球団創立時に画かれた原画らしい.当時は事業部という部署で画いていた.
モノは布の上にグレーを塗った上に絵の具で画いてある.
球団創設時のユニフォームやチケットにも使われている.
球団の方にも資料は残っていないので.原画かどうか確定できない.
阪神電鉄のデザイン室に早川源一さんという人がいて,虎のマークを画いたと聞いている.
早川源一氏(1906-1976)は美術大学を卒業後,阪神電鉄に入社,日米野球(1934)のポスターやセントラルリーグ(1949)の旗を手がけた.
父が描いたものである.仕事場へ連れて行かれて見たことがある.ユニフォームに付けたときにイキイキとした虎を表現したいので厚みのある生地に描いたと聞いている.
本人評価額:星野さんにあやかって7万7千円
野村克也氏コメント:(その額のお金よりは)こっち(原画)の方を阪神ファンは欲しがるだろう.
島田紳介氏コメント:770万にしたらどうか.
鑑定結果,評価額:280万
前野重雄氏説明:これを所有する事は阪神ファンの頂点に立つ意味を持つ.
島田紳介氏コメント:280万でも買う人はいると思う.770万といったのはマジである.
石坂浩二氏コメント:280,300万ならすぐ買う,500万ならちょっと考える.
依頼人コメント息子も阪神ファンなので(申し出があっても,額にかかわらず)一存では決められない.
あの絵がユニフォーム用に描かれた事は明らかになった.ただ,それ以前に球団のマークとしてあの虎のデザインがあったのではないかという疑問は,なお残る.
つまり,まず球団のマークとしてデザインされ,それを球団旗にアレンジしたり,ユニフォームに取り付けたり…というのではないか? あれはユニフォーム用に発注する際の見本として作られたものではないか? という事である.
虎の絵じたいがもともとユニフォーム(の袖)に付ける事を前提にデザインされたものであならば,はじめからあの虎は左肩に居て,とうぜん右向き(左面が見えている)が本来の姿ということになる.