昆虫学会70回大会講演要旨

山形大学(鶴岡)

2010年9月


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【マメヤハズの変異と多様性】

[ツノヤハズ]は両性生殖個体群の個体ベースモデルで,生物学的種概念がよく適用でき,適応の概念なしに多くの種現象(系列推移,異所的,側所的種分化,交雑帯,絶滅)を再現できる.これに移動および地域適応の概念を加えたものが[マメヤハズ]であり,その実行観察システムが"DemeJ"である.

国際生物多様性年にあたりDemeJに形質の変異と種多様度指数の記録機能を追加した.これは継続飼育中の一定世代ごとに状態を保存するとともに,種を区分した上で,種数,DおよびH’,また全体および種ごとの個体数,全形質について平均,分散およびRMSを算出して記録するものである.

これを用いた実験観察例をもとに,1) 絶滅と種分化をともなう系全体での種多様性の補完能力,2) 種内での変異の蓄積と種分化の進行,3) ボトルネックの発生にともなう変異の消失とその影響について述べる.

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