昆虫学会68回大会講演要旨

香川大学(高松)

2008年9月


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【マメヤハズの飛行特性】

[ツノヤハズ]は両性生殖個体群の個体ベースモデルで,生物学的種概念がよく適用でき,適応の概念なしに多くの種現象(系列推移,異所的,側所的種分化,交雑帯,絶滅)を再現できる.これに移動および地域適応の概念を加えたものが[マメヤハズ]である.マメヤハズでは個体の遺伝形質を追加し,P)移動性(am)と地域適応性(al,aa)は個体ごとに遺伝(交雑,突然変異),Q)移動の生起アルゴリズムは系全体で共通,R)移動の効果とリスク(r)および,S)地域適応性のメリット(s)は系全体で一定とした.

ただし(r)や(s)を適切に選定しないとシミュレーションは非現実的あるいは極端な状況の再現となり有効ではない.また三形質(al,aa,am)の変異率は個体群内での変異蓄積や固定に直接影響するばかりでなく,種現象に高次の影響を及ぼすと考えられる.現実的な状況や特定の現象の再現を目的として実験を行なうために三形質の突然変異率の特性を知っておく必要がある.

そこで今回の講演では,1)前回の(r)に続いて(s)の選定,および,2)三形質の変異率の設定によるシミュレーション状況の変化について述べる.

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