昆虫学会54回大会講演要旨

東京農工大学農学部(府中)

1994年3月


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【サルヤハズの種分化と共存】

 「ツノヤハズ」に続いて,パソコン上に両性生殖する交雑個体群「サルヤハズ」を作った.「ツノヤハズ」では,交雑に関与する形質として配偶行動,交尾器形態,発生生理の3形質を設け,これらが遺伝および突然変異し,許容値を越える不一致により交雑が妨げられる状況を再現した.その結果,様々な程度の不完全な地理的障壁の下で,地域による適応の仮定なしに,種分化が再現された.

 「サルヤハズ」においては,同一地点に異なる4つのニッチが存在するものとし,個体の属性として新たに生態形質を設定に加えた.この形質は占有するニッチを規定するもので,上記の3形質と同様に遺伝し突然変異する.このような設定のもとに,「異所的種分化で生じた姉妹種の再接触→ニッチを違えての共存」および「同所的種分化」の再現を試みる.

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