甲虫学会2003年度大会講演要旨

大阪市立自然史博物館(大阪)

2003年12月


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【おコタで種分化】

 演者は約10年前,パソコン上に仮想の両性生殖個体群「ツノヤハズ」を再現するシステム「DEME」を考案し,さまざまな種現象を実験的に観察できることを示した.その後,いくつかのテーマに沿った実験を行い,それぞれ示唆に富む結果を得た.
 ここ数年,一部の甲虫でも遺伝情報に基づき(種間,種内の)系統関係が推定されるようになった.従来からの地理的分布の精査と相まって,現状の複雑な分布状態を把握するとともに,その形成過程を推測しうる状況になってきた.種に関連する注目すべき現象が,より具体的に認識されるようになったといえる.一方で,シミュレーションに対する社会的な理解も深まり,多くの人にとってパソコン上の単純化された世界を操作,観察,洞察することが日常となった.  このような状況から,さまざまな種現象を再現,実験観察するシステムとして,あらためて「DEME」を紹介する.

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