ちょっとアホな話


その日私は暇だった。 私はテレビのチャンネルをいろいろ変更してみたが、面白い番組がない。 やっぱり六本木に行っておくべきだったか・・・。 そう、この日六本木ではインテル PRESENTS「FM FESTIVAL '99 POPS IN JAPAN」の公開放送が行われていたのだ。 私は入れるかどうかわからない状況だったので、さんざん迷ったあげく行かないことにしたのだった。

あ、よく考えたら公開放送っていうぐらいだから放送してるやんけ。 お馬鹿な私がそのことに気がついたのは、19:00 頃だった。 確かインターネットの情報では 19:30 からてっちゃんのコーナーのはずである。 ああ、よかった、早く気がついて。

私はラジオを合わせてみたが、何も聞こえない。 おかしいな。CDに合わせてみると、、、大音量で耳がちぎれそうになった。 どういうことだ。 そこで、アンプを調べたところアンテナがない。 アンテナを探してみたが、どうやら実家に置いてきたようだ。 うーむ、これでは聴けんな。

聴けないと思うと聴きたくなるのが人情というものだ。 今からラジオを買いに行くか。 近所の人に借りるか。 インターネットで聞けないかな。 どれもイマイチだ。 ちょっと待てよ。 アンテナなんて何でもいけるんちゃうか? 私は部屋に余っていたオーディオ用のコードをアンテナ部分にくっつけてみた。 おおっ。 聴けるぞ。

しかし、どうも音質が悪い。 もうちょっとどうにかならんものかと私は部屋を見まわした。 お、あれ使えそうや。 それはプレステの電源コードだった。 試しに繋いでみると、これがなかなか良い。 さすが技術のソニー、などと意味不明なことを考えつつ、わたしにはさらなる欲求が沸き起こっていた。

録音したい・・・。

しかし部屋にはカセットデッキはなかった。 もちろん、MD も DAT も DCC も CD-R も DVD-R もない。 ハードディスクに保存かぁ〜? どうにかならんものかと考えている私の目に入ってきたのはビデオデッキだった。

そうや。ビデオに録ればええんや。映像なんかなくても問題ないわ。 私は早速先ほどアンテナ代わりにしようとしたオーディオのコードを使って、アンプとビデオを繋いだ。 そしてテレビをビデオに合わせて音がなるか試してみた。 しかし、音が鳴らない。

音源を CD にしてみてもダメだ。 おかしいな。 ビデオデッキが壊れているのか? 大きな声では言えないが、この S○○○O 社のビデオデッキ、以前も故障したのだ。 しかも現在でも後ろの端子は接触不良だし、来年になると予約のカレンダーが狂うのだ。 疑う余地は十分にある。

しかし、私はまずテレビが正しく設定されてないのかと思い、リモコンを連射してみた。 すると、一瞬ラジオの音が聞こえては消え、の繰り返しだったのだ。 そう、テレビが映像の入力がないために、自動的に音をカットしていたのだ。 うーむ、さすが技術のソニー。

そこで私は何か映像を与えてやろうと部屋を見まわした。 あるじゃないか、プレステが。 そこでプレステを繋いでみたが、あれ?電源コードが、、、アンテナになってるやんけ! さすがにソニーの技術でも電源無しでプレステは動かんか。

そこで私はレーザーディスクを入力にすることにした。 しかし、レーザディスクの電源を入れると凄まじいノイズが入った。 どうやらレーザーディスクを回転させるモーターが電磁波を出しているらしい。 仕方が無い。レーザーディスクを止めて、ブルーバックの画面にした。 これでもテレビは音をカットしないようだ。

成功だ。 ついに録音のセットもできた。 しかしそこには異様な風景の部屋が誕生していた・・・。 ビデオで録れればいいので、テレビは消そうかと思ったが、確認のためにつけておいた。

約1時間半後、青い画面にラジオが入ったビデオテープが完成した。 もちろん、標準モードだ。

うーむ、このビデオ、どうしよう・・・


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