初歩的練習を、やろう
さて、キーボードをやる人は大きく分けて2種類のパターンに分けられていますよね。要するに、小さい頃でもほんの半年でもピアノとかオルガンを習ったことがある人、それと全く、白と黒の鍵盤というものに縁がない人といった2つに分けます。前者は、いわゆるキーボードといった電子楽器にはちょっと弱いけれど、ドレミファソラシドって弾いてみてって言えば、親指からひとさし指、中指までいったらファは親指から始めるでしょうし、もしかしたら左手で、ドミソドミソって伴奏を出来るかもしれない。そしてエリーゼの為に途中まで弾けるかもしれない。でも、Aのコード弾いてって言っても、“A!?”ってなっちゃうかもしれない。コードで8分音符は刻めないし、バンドでは今いちリズムのノリが悪いって言われるかもしれないね。
後者、つまりまったく鍵盤とは無縁だった人は、ドからドまではひとさし指で、ドレミって弾く気がするし、右手と左手がまったく同じリズムで動いちゃう。もしかしたら“猫踏んじゃった”は弾けるかもしれない。
でもね、コードは覚えるの早いかもしれないんだ。まったく知識がない分、素直にCのコードはドミソって覚えるからね。あとリズムもひたすら8分音符とか、何も考えずに刻めるかもしれないよ。といった感じで2つのパターン、甲乙つけがたい訳ですよ。両方ともポップスやロックのキーボードをやる場合には、スタートとして50歩100歩です。
だからまず“私はクラシックもオルガンもエレクトーンも習った事ない。そろばんぐらいだ”と言って嘆いている人、クセがなくて、素直に覚えられるという事を誇りに思ってあきらめないで下さい。そして、すこしピアノやオルガンを習ったことのある人は、まず、昔、嫌いだったピアノのおけいことかは忘れて、どうやったら楽しく弾けるかを考えましょう。キーボードは奥が深く、すこし理解できてくると、昔、習ったことが、関連して来ます。たとえば「エリーゼのために」は、どんなコードで構成されていたのかとか、KEYは何だったのかとか、絶対なるほどなぁーと思う事があるはずですよ。とにかく両者どちらとも不可欠なことは…“応用”です。これがないとキーボードは、音楽の意味をなさないまま終わっていきます。いいですね、これを忘れないで下さいね。
では、応用のまず第1ステップとしてコード、主要3コードを覚えましょう。まず、誰でも知っているCのコード。難しい事はもうすべて取り去って、Cはドミソですよね。次にF、ドファラです。そしてG、シレソです。5才ぐらいまでの子供には、この3つのコードで伴奏してあげれば、どんな歌でもとりあえず歌っちゃえるぐらい、とにかくこの3つのコードで、ポップスの半分はなんとかなるんですよ。ポップスっていってもほとんど童謡か民謡ですけどね。証拠としては、保育園の先生のオルガンの伴奏は、たいていこの3つしか使ってないし、よくあるでしょ?あのコミックバンドの伴奏、三味線とアコーディオンとギターとかでやってるの。あの人達も、ほとんどこの3つ。せいぜいあと3つか4つですよ、使っているのは。
さて、ドミソで4分音符、8分音符を時計の音でもなにかリズムに合わせて死ぬほど刻んでみましょう。あきたら、ドファラ、そしてシレソ。そしてね、適当に知ってる曲を口ずさんでみてよ。たとえば「涙のリクエスト」でも口ずさんでごらん。すこしは合ってるでしょ。でも“涙の〜”の後のリクエストっていうところが、今いち違って明るすぎるかな。がんばってあと2つ覚えようか。そうです、コードにはメジャーコードとマイナーコードがあるんですね。メジャーは言葉どうり、明るいんですよ響きが。そしてマイナーはマイナー。要するに暗い人ですねぇ…。前に知ってもらった3つのコードはすべて明るい人達でメジャーコードなんです。
でも、明るいばっかりじゃちょっと芸がないっていう訳で、マイナーコードが必要になります。とりあえず2つね。Am(エーマイナー)ラドミ、わかるでしょ?暗いでしょ?これと、ほんとはマイナーコードじゃないけど、とりあえず今回はマイナー組に入れちゃうけれどE7(イーセブン)ソ#シミ。AmとE7を交互に弾くと、ドッと暗いことがわかりますね。さて、さっき途中でやめてしまった「涙のリクエスト」ですが、最初Cを押さえて、“涙のリク”まで歌ったらAmを押さえてみて! “エストー”までだよ。どう?バッチリでしょ?“最後の”は何でしょう。わからなくても、あと知ってるのはFとGとE7だけだから3つはめてごらん。うーんわからないかな?Fだよ!!ね、気持ちいいでしょ?さて“リクエスト”はもうあと2つのうちどっちかだよ!!E7弾いてごらん。笑えるよ、すごーく。暗いもんね、Gだよ、Gが正解。最初から言うと「涙のリクエスト」の最初のコーラスの部分をコードで伴奏すると、C-Am-F-Gっていう4つのコードで伴奏できる訳になるねぇ。
この後も、この5つのコードでうまく応用して歌ってごらん、出来るはずだからね。答えは知りたかったらシンプジャーナルあてに書いてきてみてね。僕が採点してあげるよ。さてこれからが応用ですよ。この5つのコードで伴奏できる曲は、たぶん何百曲ってあると思います。チェッカーズとかはあるね。とにかく歌ってみて、合わせてみてよ。そうすると絶対合わない部分、この5つのコードじゃなんか違って変な音になって気持ち悪いところが出て来るはず。それを今度は探すんだよ。次回は、基本のリズムをやりますよ。コードがすこしわかっても、リズムがないとポップスにならないしね。コードも少し増えるよ、きっと。絶対が多いけれども、この5つのコードを来月までに覚えてね。じゃあまた来月!!
1958年11月27日、東京生まれ。3才からバイオリンを始め、クラシックの英才教育を受け、17才からプロミュージシャンとして活動。上田正樹、バウワウ、大江千里など、様々なアーティストのレコーディングやライヴに参加。'84年、TM NETWORKというグループを率いて、現在の音楽シーンに登場。