安室奈美恵のアルバム、ジャケットを変えるな!



残念である。この方法だけは採って欲しくなかった…。安室奈美恵のアルバムであるが、100 万枚ごとにジャケットを変えるというのだ。消費者に対して、無駄な購買欲を煽る可能性のある、この手法を用いたことに、遺憾の意を表する。

確かに、この手法は過去から多く用いられてきた。そして、中にはいくつかの考えがある。1つは、アーティストの自己満足があろう。他に、消費者に選択の幅を広げようとする考えがある。しかし、この考えは2つの意味を含む。一般の消費者は選択の幅が広がったと解釈するかもしれない。しかし、熱心なファンはそうは思わないのだ。

あるアーティストに対して熱心なファンは、アーティストの活動に対して、なるべく多くの創造物を手に入れようとするだろう。これは一般的に収集と言われる。そして、ジャケットを変えるという手法は、この収集家に対して、無駄な購買欲を煽らせ(それは不快感に変わる)、場合によっては無駄な出費を強いるのだ。

また、抗議ができないのも、この手法の特徴である。不快感を抱くのは熱心なファンだけであり、彼らは買わないという選択を採ることはないであろう。

初回限定というのがある。これも似た手法だ。しかし、一般的に、初回版というの物は、それ以降の版より価値があるものなので、収集家がすべての版を集めるということは少ない。この手法は違った意味で一般の消費者の購買欲を煽るが、同じ物を複数買うわけではない、という点で前の例とは違う。

ここで、複数ジャケットに対する、一般の消費者の例に戻る。一般の消費者は選択の幅が広がったと解釈するかもしれない、と前述したが、これは非常に少ないと思う。ほとんどの消費者は気にもとめないだろう。中身は同じものである。よって、選択の幅を広げるといった意味はほとんどないと思う。

以上のような考察から、複数ジャケットという手法の効果は、熱心なファンに対しての売上を伸ばすといった、客観的に悪な結果しか生まないと思う。


熱心なファンじゃなくてよかった(^^)


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